石英のファセット結晶からメノウ(カルセドニー)に変化する過程を光学顕微鏡ならびに透過型電子顕微鏡を用いて観察した.観察に用いた試料はAguascalientres Mexico産のメノウである.光学顕微鏡下では細かい成長縞が観察され,ファセット結晶からカルセドニーへと組織が変化するに伴い,この成長縞がより直線からジグザグへと変化する.また,TEM下では,この移行部分に多量のブラジル双晶ラメラやナノ成長縞,転位などが観察され,場所により様相が異なる.また,この部分では,10∼100nmサイズの粒状のコントラストが普遍的に観察され,このコントラストはナノ包有物により生じていると考えられる.このようなナノ包有物が様々な欠陥を生じる原因で,粒子の細粒化を引き起こしていると考えられる.