日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: R1-17
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R1:鉱物記載・分析評価
島根県隠岐の島大久産レールゾライトゼノリス中のかんらん石におけるFeの酸化数とその存在状態
*江島 輝美赤坂 正秀大藤 弘明
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抄録

隠岐産マントル由来のゼノリスかんらん石のFeの酸化数とその存在状態について検討した。試料中のFe3+の定量には,メスバウアー分光分析およびEMPA法を用いた。また,このFe3+の存在状態の解明のために,HRTEMによる観察を行った。ゼノリスの中心部より分離したかんらん石は平均Fo含有量が81.4 mol%であり, Fe3+の量は0.02-0.03 apfuであった。このFe3+を含むかんらん石のHRTEM・電子線回折観察では,かんらん石以外の相は確認されず,本かんらん石中のFe3+は,かんらん石構造内のものであると結論した。 他方,玄武岩と接触するかんらん石のリムの褐色析出物の電子線回折ではかんらん石のc軸方向のストリークが観察されたが,HRTEMではかんらん石以外の相の存在は確認できなかった。これらの結果は, c軸方向に若干構造のずれた,ほぼ等しい組成のかんらん石が存在していることを示す。

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© 2011 日本鉱物科学会
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