天然ピンク・ダイヤモンドはその色と希少性において宝石として最も高く評価されている。 近年の技術革新により、高温高圧法及びCVD法による宝石質合成ダイヤモンドが生産され、宝飾業界に流通している。 ジュエリー産業界ではダイヤモンドの商品価値と消費者利益を保全するため、天然及び合成ダイヤモンドの物性を正しく評価し、その相違を宝石鑑別に応用することが強く求められている。 天然ピンク・ダイヤモンドのほとんどは強く塑性変形を蒙っており、交差偏光下において高次の干渉色を伴う歪複屈折が認められる。 高温高圧法の合成ピンク・ダイヤモンドではカット・研磨後においても{111}と{100}による特徴的なセクター・ゾーニングが観察される。 CVD法による合成ピンク・ダイヤモンドでは633nmレーザーによるPLスペクトル分析においてSiに関連する737nmのピークが認められる。