本研究では、黒ヒスイ中に含まれる炭質物の鉱物学的記載と成因の検討をおこなった。使用した試料は、新潟県糸魚川市金山谷にて採集した転石と露頭より採集した黒ヒスイである。各種分析試料は、CMを単離したものを使用した。 XRD・Raman分析結果によりCMは、同一試料中においてもばらつきの大きな結果となった。Beyssec et al. (2002a)による温度分布では、400-650℃を示す幅広い値となった。TEMでの分析の結果、フィラメント状のものが最も多く、得意な形態として、Carbon nano hone 、Carbonaceous globule様形態を示すものが観察された。 CMの産状は黒ヒスイ中に球状・脈状に分布し、この産状とTEMでのCMの形態から熱水起源と考えられる。XRD・Ramanで求めたCMの結晶化度には幅があるが、複数回のCM晶出があったことを示している。