日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: S2-08
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S2:岩石−水相互作用
水熱条件における四万十帯岩石の溶出挙動と方解石析出
*武者 倫正土屋 範芳岡本 敦
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抄録
近年、地球温暖化対策として二酸化炭素の地下貯留技術が研究されているが、炭酸塩の生成速度の遅さから、実用化には未だ問題を抱えている。一方で天然の地殻環境中には方解石の鉱物脈が普遍的に存在している。本研究では地殻環境中での水-岩石相互作用による水熱条件での方解石析出メカニズムを解明することを目的とする。 蒸留水と天然の岩石試料を用いた閉鎖系での溶出実験では、岩石から各種陽イオン(Na, Ca, Si等)が溶出し、塩基性で方解石に過飽和な流体を生成することが判明した。 また天然の岩石試料を用いた熱水流通実験を行い、方解石を析出させる実験を行った。CO2溶液を用いた弱酸性条件での実験では、流体は常に方解石に対して未飽和であった。NaHCO3溶液と泥岩を用いた弱塩基性条件での実験では、実験管内に設置した方解石基板上に0.01mm程度の方解石が析出していることが確認された。
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© 2012 日本鉱物科学会
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