抄録
X線非弾性散乱法を用いてhcp-Feの音速測定を室温および高温で行った。室温の測定は、167GPaまで測定し、高温での測定は62GPa, 1000 Kまで行われた。測定はSpring-8の精密非弾性散乱ビームラインBL35XUにおいてダイヤモンドアンビルを用いて行われた。hcp-FeのP波速度と密度の間には線形の関係(Birch’s law)が成り立ち、高温の測定結果は室温の結果と同じ線上にプロットされた。このことから、少なくとも1000 KまではBirch7s lawには温度依存性が存在しないことが明らかになった。