日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R3-P01
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R3:高圧科学・地球深部
溶融珪酸塩の物性・構造の圧力変化と塩基度の関係
*則竹 史哉河村 雄行
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抄録
本研究では溶融珪酸塩における構造と物性の圧力変化、および塩基度の効果を明らかにするために分子動力学法(MD)を用いて、CaO-nSiO2系についてシミュレーションを行った。シミュレーションの結果から塩基性の液体では圧力とともにSiおよびOの自己拡散係数が単純に減少してくことが確認されたが、酸性の液体ではそれらの自己拡散係数がある圧力から増加していくことが確認された。塩基性の液体はCaイオン及びSiO4モノマー、ダイマーで主に構成されており、イオン性液体のように振舞うが、酸性の液体はCaイオン及び-Si-O-ネットワークで構成されており圧力に対して特異な挙動を見せる。酸性の液体では、ネットワークの発達によりSi原子およびO原子の拡散機構はネットワークの組み替えによるものになるが、その機構が圧力による構造の歪み、及びネットワークの変形の自由度の増加により起りやすくなっていることが推測される。
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© 2012 日本鉱物科学会
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