抄録
BaTiO3粒子の合成法の一つである固相合成法の反応機構を原子レベルで解明する事を目的とした。出発材料であるBaCO3とTiO2を熱処理した試料について、HR-TEM法によりBaCO3/TiO2接触界面に注目した局所結晶構造解析を行った。その結果、従来から組成分布やXRD評価により予想されていた、TiO2中へのBaの拡散により中間相を経てBaTiO3が合成されるという反応モデルを裏付ける結果が得られると共に、固相合成BaTiO3の合成反応過程はトポタキシャル的であると予想される結果が得られた。講演では、この結果に加えて、薄膜系モデル試料の解析結果からの、より詳細な固相反応機構の議論を行う。