日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: S2-P03
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S2:岩石−水相互作用
マントルウェッジにおけるかんらん岩の加水反応速度に関する実験的研究
*中谷 貴之中村 美千彦
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抄録

マントルウェッジにおいて流体がマントルの岩石と化学平衡を達成しながら移動するのかどうかは、 H2Oやメルトの分布と関係する重要な問題である。本研究では、580℃・1.3GPaの条件下でかんらん岩の加水反応速度を実験的に見積もり、上述の問題について検討した。実験は ピストンシリンダで行い、 出発物質に捕獲かんらん岩の粉末と蒸留水(15wt%)を用いた。 実験の結果、olは単独では反応しないが、opxと一緒だと高aSiO2aqにより反応することがわかった。またAl2O3に富んだ低温相のlizarditeの形成が確認された。そして、反応進行度の時間変化から、見かけの反応界面進行速度が1μm/day程度になることが分かった。求めた加水反応速度と浸透流の速度を特徴的な時間で比べると、平衡を達成しながら移動することが示唆され、多く水は蛇紋岩にとらえられて深部まで運ばれることになる。

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© 2012 日本鉱物科学会
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