日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R7-11
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R7:岩石・鉱物・鉱床一般
オマーンオフィオライト底部の変形レールゾライトに貫入した単斜輝岩脈:最後に活動したメルト起源?
*石丸 聡子荒井 章司
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抄録
オマーンオフィオライトのマントルセクションに観察される岩脈はマグマ過程を検討する上で重要である.2011年度の現地調査で,オフィオライト最下部のレールゾライト中に,変形構造を切る白色の単斜輝岩脈を観察した.
この岩脈は,主に粗粒な単斜輝石 (CPX) からなり,かんらん石や斜方輝石,斜長石は観察されない.CPXのMg#は0.85程度(0.81-0.88)で,Al2O3,Cr2O3,TiO2含有量はそれぞれ0.5-2.0 wt%,0.2-0.6 wt%,0.2-0.7 wt%である.変質相としてチタンに富むアンドラダイトやチタン石を含み,CPXは初生的にはよりTiに富んでいたことが示唆される.岩脈全体としてTiO2に富み,Mg#が低いことから,分化した玄武岩質メルトからの結晶集積岩である可能性が考えられる.これらの結果に鉱物の微量元素などのデータを加え,更に詳細な議論をおこなう.
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© 2012 日本鉱物科学会
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