抄録
放射線損傷をあまり受けていない若い年代のジルコンを対象に、CL発光の詳細を検証した。滝谷花崗閃緑岩(1.9-0.8Ma)Tm3+に起因する青色領域の発光(365,460nm)を確認した。これは天然ジルコンからの初めての検出である。通常のジルコンにおいてみられる放射線損傷に伴う黄色領域の発光は確認できず、一方UV領域および青色領域にブロードで発光強度の高いピークを得た。年代が若い岩石のためUやThによる放射線損傷(メタミクト化)が進んでいないことによる。このCL発光は、線量応答を求められれば地質線量計へ活用できる可能性をもつ。