日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R8-03
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R8:変成岩とテクトニクス
三波川帯徳島県高越地域において初めて見出されたローソン石エクロジャイトの痕跡
*土谷 成輝平島 崇男
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抄録
三波川帯高越地域に産する藍閃石(Gln)-緑簾石(Ep)-エクロジャイト(Ecl) に含まれるザクロ石(Grt)からローソン石(Lws)-Ecl相の鉱物共生を見出した.この母岩のMnに富む層には顕著なMn釣鐘型組成累帯構造を示すGrtが存在する.母岩のマトリクスの鉱物共生はGrt-Gln-Ep-オンファス輝石(Omp)-フェンジャイト-パラゴナイト(Pg)-石英である(土谷ほか,2010).Lws-Ecl相の鉱物共生はGrtに含まれるLws単結晶(約20μm)包有物とPg-Epから成る多相包有物(10-150μm)とOmp包有物(5-100μm)である.Omp包有物と隣接するGrtに地質温度計(Krogh 2000)を適用し,Lws-Ecl相の鉱物共生の安定領域と併せて考察した結果,この母岩は約530℃17kbarから約590℃20kbarへの累進的なPT変化を記録していることが判明した.
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© 2012 日本鉱物科学会
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