抄録
東アフリカ南極造山帯中央部のテクトニクスを解明するために,発表者らは2009年11月~2010年2月にかけて南極セールロンダーネ山地バルヒェン山において地質調査を実施した.今回新たに地質調査を行った結果,バルヒェン山には右横ずれ塑性剪断帯や巨大な塑性剪断帯(バルヒェンデタッチメント断層)が発達することが明らかとなった.これらの運動は東ゴンドワナ大陸と西ゴンドワナ大陸の衝突によって発達したと考えられ, escape tectonicsやextensional collapseが東アフリカ南極造山帯中央部(セールロンダーネ山地)でも起きていたと推測できる.