日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R1-16
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R1:鉱物記載・分析評価
山口県萩市笠山火山安山岩質スコリア中のかんらん石におけるFe3+と析出物の生成過程
*江島 輝美赤坂 正秀永尾 隆志大藤 弘明
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抄録

山口県萩市笠山火山産黒色スコリア,赤褐色化した黒色スコリア,赤褐色スコリアのかんらん石における鉄の酸化数と析出物の生成過程を解明した。黒色スコリア中のかんらん石には析出物がないが,赤褐色化した黒色スコリア中のかんらん石では,リムに析出物が認められ,赤褐色スコリア中のかんらん石では、リム,割れ目,包有物境界部に赤鉄鉱、マグネシオフェライト、エンスタタイトが顕著である。析出物量の増加に伴いかんらん石のFo値は80 mol%から99 mol%まで増加する。赤褐色化した黒色スコリアのかんらん石中のFe2+:Fe3+比は95(3):5(1)で、0.02 apfuのFe3+が存在する。スコリア丘表層部のスコリアは急冷して噴出後の状態を保存しているのに対し,スコリア丘内部のものは高温酸化を受けてFe3+が生成し,M1席に位置することにより磁鉄鉱,赤鉄鉱の析出物を発生させことになったと考えられる。スコリアが高温酸化を受けた温度は、800度以上であろう。

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© 2012 日本鉱物科学会
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