日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R1-P13
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R1:鉱物記載・分析評価
糸魚川世界ジオパーク,橋立金山ジオサイトから発見されたラング石
石橋 隆下林 典正*宮島 宏
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抄録
新潟県西部にある糸魚川世界ジオパークの橋立金山ジオサイトから見出されたラング石(Langite, Cu4(SO4)(OH)6・2H2O)は,坑内の壁面に露出する蛇紋岩の一部の表面に皮膜状に付着し,母岩の内部には存在しない.最大5mmほどのガラス光沢を呈する青緑色透明板状~柱状結晶で,塊状の孔雀石や珪孔雀石を伴う.定量化学分析はまだ行っていないが,定性的にはCu, Sの含有と,Znの未検出を確認している.橋立金山GSで発見された青緑色鉱物をラング石と同定した根拠は,X線粉末回折値がPDF 75-1258のラング石の値とよく一致したことによる.近隣の岩石には含銅硫化鉱物は見られず,坑内の壁面にのみ見られることから地下水によってCu, Sが移動し,坑内壁面に湧出して生成したものと思われる.閉山後,どれぐらいの期間で生成したものかは不明である. 
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© 2012 日本鉱物科学会
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