日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R1-P14
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R1:鉱物記載・分析評価
静岡県河津鉱山産亜セレン酸塩鉱物 — chalcomenite, munakataite —
大浜 多喜*山田 隆門馬 綱一宮脇 律郎松原 聰
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抄録

静岡県河津鉱山からカルコメン石CuSeO3・2H2Oと宗像石Pb2Cu2(SeO3)(SO4)(OH)4の2種の亜セレン酸塩鉱物を確認した。空隙の多い石英塊の割れ目や晶洞内に最終的な生成を示すべく晶出し、近くには緑鉛鉱がみられる。カルコメン石は、0.5mmほどのガラス光沢、鮮青色の柱状結晶としてみられる。EDSによる半定量化学分析ではCu:Se比はおよそ1:1、ガンドルフィーカメラによるX線粉末回折実験では、主要回折値d(I):5.761(24), 5.395(82), 4.953(100), 4.356(23), 3.781(62), 3.422(44), 3.365(86), 3.046(49), 2.887(45), 2.824(37), 2.534(54), 2.167(31)をしめす。宗像石は、淡青色、微細な繊維状集合で石英の表面を覆う。化学組成は、Pb:Cu:Se:S比がおよそ2:2:1:1。X線粉末主要回折値d(I):4.880 (52), 4.498(55), 3.544(60), 3.197(100), 3.163(87), 3.115(82), 2.840(30), 2.724(31), 2.408(23), 2.117(16)。両鉱物は、産状からみて、銅、鉛、セレンを含む各種鉱物の分解による二次生成鉱物とうかがえる。原稿物の候補には方鉛鉱があり、本鉱山に産出する方鉛鉱には、しばしばセレンを含むもの(clausthalitePbSe成分を含む)が知られる。

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