コーディエライトを主成分とし、超低熱膨張特性をもつセラミックスであるネクセラを多角的視点から解析した。本セラミックスの熱膨張係数は、室温付近の温度においてほぼゼロであり、また、機械的特性においても堅牢である為、高性能測定装置の部材として開発された。マイナス200から1200℃にわたる高温その場粉末X線回折実験およびリートベルト解析の結果、熱膨張係数が200℃付近まではほぼゼロであったが、それ以上の温度では結晶軸方向により膨張および収縮する性質を示した。さらに体積膨張率も800℃以上においてバルクとは明らかな違いを示す。セラミックスの微細構造は、主成分であるコーディエライトの間隙をガラス相が充填する構造をもつ。これらの2相が熱膨張特性に与える影響を検討する為に体積分率を求めた。その結果、およそ90パーセントをコーディエライト相が占める事が明らかとなった。