本研究では、希土類リン酸塩の室温における結晶構造特性、希土類イオンの分配傾向の把握を目的とした。全希土類存在下の溶液分析より軽希土(Ce-Eu)の優先的な分配がみられた。全希土類存在下で合成したREtotalPO4は、ラブドフェン構造を持つ事が明らかになった。また、室温で合成した単一元素のREPO4 の固相分析より室温条件で生成するREPO4は部分的、または全体的に常にラブドフェン構造を含んでいることが示唆される。 全希土類が存在するREtotalPO4はラブドフェン構造をとる結果となったが、これは室温条件で生成するラブドフェン構造の幅広いイオン半径に対する比較的高い安定性と、REtotalの平均的なイオン半径がSmに近く、SmPO4で安定なラブドフェン構造になったためと考えられる。