日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R5-03
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R5:宇宙物質
Barred-olivine組織形成のフェーズフィールド計算(2)
*三浦 均
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抄録

コンドリュールに見られるbarred-olivine (BO) 組織は,加熱溶融したコンドリュールが急冷凝固することで形成したと考えられている。私は,BO組織形成メカニズムを数値計算手法を用いて明らかにする試みに取り組んでいる。前回の総会では,Mg2SiO4-Fe2SiO4二成分系モデルを用いて,平坦な固液界面が不安定化してBO組織に似た結晶化パターンが再現されることを示した。今回私はMg2SiO4-Fe2SiO4-SiO2三成分系のモデル化を行なった。数値計算の結果,二成分系モデルと同様,平坦な界面が不安定化してバー状構造が形成した。バー内部には,バーを横切る方向に正累帯構造が形成された。また,バー成長方向には組成がほぼ一様であった。天然のBO組織には累帯構造がほとんど見られない。バーを横切る方向の正累帯構造は,コンドリュール凝固後,母天体中の変成作用で均質化された可能性がある。

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© 2013 日本鉱物科学会
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