今回,Goalparaユレイライト隕石中のグラファイト結晶の一部が,“100ミクロン程度の広がりを持ち,ブロードなラマンスペクトルを示す薄片状ダイヤモンドの束” と “シャープなラマンスペクトルを示す板状ダイヤモンドからなる5ミクロン大の粒子” という異なった産状および性質を示す二つのタイプのダイヤモンドへと転移していることを見いだした。ブロードなラマンスペクトルを示すダイヤモンドはグラファイトからの直接固相転移により出来たと考えられる(Nakamuta and Toh: Amer. Mineral. 98, 574-581, 2013)。これに対し,細粒ダイヤモンドの近辺にはカマサイト細脈が存在しており,シャープなラマンスペクトルを示す良結晶質のダイヤモンドの形成には,FeやNiが触媒として関与していたと考えられる。