日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R6-07
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R6:深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー
北八甲田火山群におけるマグマの分化プロセス
*小松 翔大場 司
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抄録

北八甲田火山群北部,前嶽,田茂萢岳,鳴沢台地において,踏査により構築した地質層序と採取火山岩の全岩および鉱物化学組成分析結果に基づき,マグマ組成の時間変化と分化プロセスを解明した.初期の噴出物は,0.4Ma頃の玄武岩質安山岩である.休止期間を挟み0.2Ma頃に開始した活動では,初期に安山岩マグマが噴出し,その後,低SiO2の玄武岩質安山岩~玄武岩マグマまで活動が推移する.その後,再び安山岩マグマの活動へ戻る.北八甲田火山群北部のカルクアルカリ系列に属する岩石には,非平衡鉱物組み合わせが認められ,開放系マグマプロセスが示唆される.また,カルクアルカリ系列の組成変化は,安山岩と玄武岩の間で直線的な組成変化を示すことから両者の混合が示唆される.層序に従い化学組成は,珪長質から苦鉄質へ変化する.このことから時間とともにマグマの混合比が変化し,苦鉄質マグマの寄与が増加したと考えられる.

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© 2013 日本鉱物科学会
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