鳥海火山は西暦871年から1801年の間に少なくとも3回のマグマ噴火を起こしている。歴史時代のマグマ噴火噴出物については、先行研究によりマグマ混合によって生成されたと考えられている。噴出物の全岩化学組成は、SiO2の組成変化図上で一連のトレンドをなす。本研究では、鳥海火山の歴史時代溶岩に含まれる苦鉄質斑晶鉱物の累帯構造に基づいて、マグマ混合から噴火に至るまでの時間スケールの推定を行った。かんらん石斑晶の滞留時間を求めた結果、歴史時代のマグマ混合-噴火の時間間隔はおよそ1ヶ月-4年間の範囲内であると推測できた。