日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R6-11
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R6:深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー
小笠原・硫黄島の旧噴火口で2012年-2013年に発生した爆発現象に伴い放出された噴出物の特徴
*池端 慶田村 知也
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抄録
小笠原・硫黄島の西部に位置する旧噴火口(ミリオンダラーホール)では2012年2月上旬以降,泥や噴石を火口周囲に噴出する小規模な爆発現象が繰り返し発生している(気象庁,2013).これらの爆発現象に伴い火口周辺に放出された泥を採取し,その試料の粒径250μm-500μm水洗残渣粒子を実体顕微鏡とSEMを使用して観察した.
試料はいずれも灰色で,その構成物は,遊離鉱物,比較的新鮮な火山ガラス片,変質火山ガラス片,(変質)岩片,黄鉄鉱集合体からなる.SEM観察の結果,比較的新鮮な火山ガラスの表面には,変質によって生じたと思われる小孔がいくつか確認された.以上の結果,全試料はいずれも全体的に変質した粒子からなり,新鮮なマグマに直接由来する粒子は確認されない(池端・田村,2013).したがって,全試料とも火口周辺の既存の火山岩,火山砕屑物やそれらの変質物が水蒸気爆発により放出されたものと考えられる.
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© 2013 日本鉱物科学会
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