抄録
オフィオライトに見られるクロミタイトは周囲のハルツバーガイトとの構造的関係から調和性および非調和性の2種類に分類される。非調和性クロミタイト、および周囲のダナイト・ハルツバーガイト中のスピネルの化学的特徴は非調和性クロミタイトが島弧マグマによって形成された事を示唆する。ワジヒルティ地域のマントル部深部の同一の崖に位置する非調和性および調和性クロミタイト直近のハルツバーガイトはそれぞれ島弧的、海洋的な特徴を有する。この2種類のハルツバーガイトの境界部ではスピネル化学組成は海洋的なものから島弧的なものへと徐々に変化する。この事は既存の海洋的ハルツバーガイトが島弧マグマによって改変されたことを示唆している。