東南極大陸Riiser-Larsen山に産する超高温変成作用を被った珪長質片麻岩の化学組成の不均質性と片麻岩中に含まれるternary feldspar(Tfs)の離溶組織の関連性、およびそれらの成因を明らかにするため、片麻岩中の組織の記載・分類を行った。X線分析顕微鏡および波長分散型X線分光器を用いた片麻岩チップの元素マッピングの結果から、片麻岩中の元素分布および組織にはcmオーダー以上の不均質があり、各領域は構成鉱物により4種類に分類できることがわかった。それぞれの領域は順に(a)oligoclase (b)連続的に組成の変化するTfs (c)Or-rich Tfs (d)oligoclase + Qtz で構成されるミルメカイト状組織で構成されており、これらの産状および片麻岩の不均質性の成因は部分溶融と長石の分別結晶作用により統一的に説明することができると考えられる。