日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R8-P01
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R8:変成岩とテクトニクス
南部アフリカ・リンポポ岩体に産出する太古代のincipient チャノッカイトの成因
*角替 敏昭D.D. van Reenen
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抄録

太古代の大陸衝突型造山帯である南部アフリカ・リンポポ岩体から初めてincipient チャノッカイトを見出した。チャノッカイトは斜方輝石を含まない片麻岩中に層状に産出するが、面構造を切ったパッチとしての産状を残しており、元々はincipient チャノッカイトであったものが、変形作用によって引き延ばされたと考えられる。鉱物平衡モデリングによると、両者の形成温度圧力条件は、940-1000℃、~6.5 kbarで一致する。したがって、リンポポリンポポ岩体北縁部のピーク変成作用近傍において、斜方輝石を形成するような反応が起こったと考えられる。この点は、ピーク後の後退変成作用において形成されたincipientチャノッカイトが卓越する東アフリカ-南極造山帯地域(インド、スリランカなど)との大きな相違点である。

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© 2013 日本鉱物科学会
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