本発表では、島弧の火山フロントの火山の一つである伊豆大島火山から噴出する島弧ソレアイトマグマを例として、過去40,000年間噴火史を通じた噴出物の化学組成と含水融解実験の既報データに比較・検討することにより、島孤ソレアイトマグマの分化条件について再検討を行う。同一の親マグマから伊豆大島火山の分化マグマの組成バリエーションを導くためには、メルトが水に飽和しており、深度(圧力)に応じてメルトの含水量がコントロールされていることが必要である。すなわち、水に富む深部マグマ溜まりと水に乏しい浅部マグマ溜まりでそれぞれ結晶分化作用が起こっている。加えて、異なる深度のマグマ溜まりで導かれたマグマが噴火前にマグマ混合することも必要である。