日本粘土学会の標準粘土試料(JCSS-1101b カオリナイト(関白),JCSS-5101 セリサイト(鍋山),JCSS-3501 合成サポナイト(クニミネ工業))について,それぞれ一定量を遊星型ボールミル(Fritsch P-6)によって毎分400回転で一定時間粉砕し,X線回折の底面反射のピークの強度や半値幅の変化や電子顕微鏡による観察のほか,熱分析や赤外線分析などを実施した.
数時間の粉砕でX線回折ピークは消失して非晶質化したが,それに伴って結晶度(底面反射のピークの半値幅)はセリサイトとサポナイトについて結晶度の低下がみられた.赤外線分析や熱分析からはOHの減少と分子状の水の増加,Si-Oの振動の変化などが確認された.
以上の結果から粘土鉱物のメカノケミカルな挙動と断層運動との関わりについて考察する.