地殻流体の主要な流路は岩石中のき裂であり,鉱物脈は流体から鉱物が析出してき裂が閉塞することで形成される.しかし,天然の鉱物脈から流体の流動情報(流量,流速,流れ方向)や析出による間隙構造の変化を読み取ることはできていない. 本研究では流通式水熱反応装置により水の状態変化(液相から気相,液相から超臨界状態)を利用してシリカ析出実験を行い,人工的に石英脈を作製した.作製した鉱物脈は非破壊の状態で回収し,X線CTスキャンにより内部間隙構造の解析・評価を行い,シリカ析出物の鉱物種・形状・空間分布の違いについての考察を行った.