日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: S2-P01
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S2:岩石―水相互作用
島弧下部地殻の加水作用:一の目潟下部地殻捕獲岩の例
*武内 美佑紀荒井 章司
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抄録

島弧下部地殻における加水作用を議論するため,東北日本弧,一の目潟から得られる下部地殻捕獲岩を調査した。用いた斑れい岩捕獲岩は,斜長石,角閃石,単斜輝石,斜方輝石,スピネル,磁鉄鉱,かんらん石から構成され,ホルンブレンド‐輝石斑れい岩と輝石斑れい岩である。これらの斑れい岩中では,しばしば単斜輝石が角閃石に置換されている様子が見られ,初生的な角閃石のほかに二次的な角閃石が存在する。斑れい岩中の角閃石は,その他の初生的な鉱物よりTiO2やNa2O,K2O含有量が高い。さらに,単斜輝石はRb,Ba,Nbなどインコンパティブル元素はほとんど含まれないが,二次的な角閃石はこれらの元素に富む。メルトまたは流体によりH2Oと共にこれらの元素が付加されて二次的な角閃石を形成したと考えられる。特にLIL元素に富むことから加水作用に関係した流体は島弧マグマに関係したものであると考えられる。

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