抄録
長垂LCTペグマタイトから産したmontebrasite[LiAlPO4(OH,F)]はquartzやfeldspar中に半自形の塊状結晶として産し,肉眼的に白色-無色,三方向の劈開が確認できる。鏡下では細粒の包有物を含み濁っている部分が多く,集片双晶が確認できる。montebrasiteの化学組成は(OH) >Fとなるmontebrasite組成が多く,一部F >(OH)のamblygonite組成となる。600℃までの加熱X線回折実験では温度上昇に伴いαとγが90°に近づいており相変態が予想される。また,EPMA観察により,二次的なcrandallite,apatite,lacroixite,wardite,viitaniemiite,morinite等の燐酸塩鉱物からなる微細組織が確認できた。