日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: R1-10
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R1:鉱物記載・分析評価
大分県向野鉱山産硫砒安鉱
*山田 隆松原 聰
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抄録
向野鉱山は、金、銀、アンチモン、砒素などを産する熱水性鉱床で、新鉱物、パラ輝砒鉱; pararsenolampriteを産出した著名な産地である。本鉱山にみられる針状~柱状結晶をしめす金属光沢の鉱物を詳しく検討したところ、硫砒安鉱;pääkköneniteがみいだされた。硫砒安鉱は自然砒、パラ輝砒鉱または輝安鉱と共出し、石英脈の隙間に生成する柱状結晶の放射状~平行状の集合体としてみられる。柱状結晶の長さは最長1mm程度で鉛灰色の金属光沢、一方向の劈開をみとめる。EDSによる元素の半定量化学分析においてはSb:As:Sはおよそ2:1:2である。X線粉末回折実験から導いた格子常数は、a=10.74, b=4.01, c=12.44(Å), β=114.95°で粉末回折パターンとともに合成物の実験結果とよく一致する。
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© 2013 日本鉱物科学会
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