GABAB受容体はGABAB1とGABAB2サブユニットで構成される二量体化受容体である.この受容体に結合する機能的蛋白は数多くあり,それらは創薬開発ターゲットのひとつとなっている.中枢性筋弛緩薬バクロフェンは脊髄のGABAB受容体に働き,痙縮症状等を軽減する.しかし脳血液関門を通りにくいため,脊髄内のみでバクロフェン濃度を上げるバクロフェン髄腔内注入療法が開発された.髄腔内バクロフェン療法中に「バクロフェン耐性」を形成することがあり,GABAB受容体の脱感作がその原因と考えられている.バクロフェン耐性を起こす患者への対応は重要であり,耐性予防,改善策の研究は重要な課題である.