日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2013年年会
セッションID: J2-07
会議情報

J2:地球内部・高圧化学(共催:日本地球化学会)
MgとSiに富む大陸クラトン下マントルの成因
*松影 香子
著者情報
キーワード: クラトン下マントル
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

大陸クラトン下のマントルは海洋やオフクラトンのマントルに比べてMgとSiに富むという特異な化学組成を有している。本研究では、このような特異な化学組成をもつクラトンマントルが含水条件下で形成したのではないかと考え、FeOやアルカリ元素を含む主要10成分からなるパイロライトの部分融解実験を上部マントルの広い圧力範囲で行った。実験結果からクラトンマントルは含水部分融解による単純な融け残り岩であると考えられる。クラトンのマントルでは海洋地域に比べて5%以上の地震波高速度異常や2ケタ程度の低電気伝導度といった測地学的異常も報告されている。クラトンマントルが含水条件で大規模部分融解をし、H2O成分がほぼすべてメルトに分配されて系から抜き去られ、結果として現在、非常に無水であると考えると、これらの測地学的異常も包括的に解釈できそうである。

著者関連情報
© 2013 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top