抄録
塩湖(特にプラヤ)のかん水中では、乾燥気候下での蒸発・濃縮の繰り返しにより、高濃度のリチウム資源を形成していることが知られている。リチウムは質量数6と7の2つの安定同位体をもち、その相対質量数の大きさや水への溶解度の高さから、リチウム同位体比(δ7Li)は変質や風化といった水・岩石反応の指標として近年注目されている。そこで本研究では、プラヤにおけるリチウムの起源を推定するため、ネバダ州の4つの塩湖から採取された9つの蒸発岩および湖底堆積物試料について、リチウム同位体比および各種元素濃度分析を行った。リチウム同位体比の結果は、プラヤに濃集しているリチウムの大部分は、地上での風化反応起源によるものではなく、ローカルな熱水活動による高温での水・岩石反応により供給された可能性が高いことが示された。