鹿園直建慶應義塾大学名誉教授が,2014年4月22日に逝去された.享年67歳であった.鹿園先生の研究領域は学生時代の熱水鉱床から発展して地下水汚染や二酸化炭素地下貯蔵,放射性廃棄物,グローバル物質循環など多岐に渡り,それぞれの分野で重要な業績をあげられた.その中で固体相だけでなく流体相も重視する,巨視的な現象を扱う中で微視的な素過程を大切にするという学風は終始一貫されていた.先生の40年を超える研究の歩みは,水岩石相互作用の研究が日本に定着し,盛んになってきた歩みと重なる.本講演では,鹿園先生の研究の歩みを水岩石相互作用の研究の流れの中で振り返る.