抄録
学院在籍中から助手時代には,熱水性鉱床の記載研究,当時盛んだった化学平衡論に基づいた計算による鉱化溶液の化学組成や形成環境の推定の研究を主なテーマとされた. 助手時代中頃には,ハーバード大学のHolland教授のもとにご留学され,主に硫酸塩鉱物の平衡実験と化学平衡論に基づいた計算による各鉱床の形成環境の研究をなされた. 東京大学に戻られた後は,浅熱水性金鉱床中のエレクトラムなど構成鉱物の化学組成とそれに基づく形成環境の推定の研究をなされた. これらの研究の集大成は,鉱山地質特別号の論文とエルゼビアの教科書としてまとめられている.