日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R3-P01
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R3:高圧科学・地球深部
単結晶XRDと高圧ラマン分光法によるハイドロガーネット,katoite Ca3Al2(O4H4)3の構造相転移に関する研究
*加藤 正人興野 純
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抄録

Nominally anhydrous minerals (NAMS)は地殻やマントル内における水のリザーバーとして重要である.ハイドロガーネット,katoite Ca3Al2(O4H4)3は代表的なNAMSとして知られる.下部地殻・上部マントルにおけるNAMSの挙動を知るため,katoiteの構造相転移を単結晶X線回折法と高圧ラマン分光法を用いて検証した. ラマン分光法において,常圧で332と537 cm-1に格子振動によるバンドが観察された.両バンドの半値幅は加圧に伴い増加し,6 GPa付近で増加率が変化した.増加率の変化は振動モードの分裂を示し,つまり晶系変化を示している.したがって,katoiteの結晶構造は圧力増加に伴い,6 GPa付近で立方晶系の空間群Ia-3d (点群Oh)からメジャーライト構造である正方晶系のI41/acd (点群D4h)に構造相転移する可能性が示された.

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© 2015 日本鉱物科学会
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