我々は最近第一原理計算によって弾性波速度を求め下部マントルがパイロライト的であるという結果を報告した。本発表ではこれらの計算で得られたブリッジマナイト(Br)の熱弾性特性に対する Fe2+、Fe3+の固溶効果をまとめて報告する。本研究では我々のグループにおける鉄固溶Brのこれまでの計算[Wang et al 2015]と同様、内部無撞着LSDA+U法を適用した。Chantel et al(2012)により報告された鉄の固溶効果は、本研究で得られた Fe2+とFe3+の固溶効果の間に位置することがわかった。Chantel et al(2012)では試料が Fe2+とFe3+の両方を含んでいたことを考えると、本研究で得られた結果とChantel et al(2012)の結果は調和的であるといえる。