抄録
マグマから分離した初生的に塩濃度が高い流体が沸騰を起こした際に形成されたものと考えられている岩塩等の結晶(固相)を含み高い塩濃度をもつ多相流体包有物について、放射光を用いた高分解能なX線CT法やラマン分光を複合的に用いて、非破壊で定量的な組成分析を行い、固相の正確な相同定や液相の推定をおこなった。その結果から、多相包有物は Halite (NaCl), Sylvite (KCl), Saltonseaite(K3NaMnCl6), Siderite(FeCO3), Fe-OH 鉱物(Goethite?)からなることを示した。さらに、集束イオンビーム装置(FIB)により母相の表面を削り、これらの多相包有物を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、SEM-EDSにより分析を試みた。その結果についても発表を行う。