マントルウェッジ由来のカンラン岩捕獲岩中に塩水包有物を発見し塩濃度を報告してきた(Kawamotoほか, 2013, Proc Nat Acad Sci USA, Kumagaiほか, 2014, Contrib Mineral Petrol)。また、塩濃度は、水流体とマグマの間の元素分配に影響を与え、スラブ流体は塩水であると島孤玄武岩の化学組成の特徴を合理的に説明できる(Kawamotoほか, 2014, Earth Planet Space)。このような塩水をどのようにマントルウェッジに運ぶかについては、最新のハロゲン元素と希ガスの分析により、沈み込む堆積岩中の間隙水や蛇紋岩が有力視されている(小林ほか, 2015, 地学雑)。本研究では、沈み込むスラブとマントルウェッジの間にある沈み込みチャネル中で生成されると考えられるヒスイ輝石岩中の流体包有物の塩濃度について報告する。