日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2016年年会
セッションID: R4-06
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R4:地球表面・環境・生命
中国レス中の土壌化起源磁性ナノ粒子のTEM観察
*松本 恵瀬戸 雄介佐野 拓郎鈴木 康太兵頭 政幸三宅 亮浜根 大輔境家 達弘
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キーワード: 中国レス, 土壌化, 磁気増大, TEM
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抄録
中国レスの土壌化に伴う磁気増大は,磁性粒子の生成が原因であると考えられているが,光学顕微鏡レベルでは未だ確認されていない。そこで本研究では,磁気増大現象の素過程を理解するため,中国レスについて,XRDとSEM/STEM観察を行い,磁性粒子の結晶相・体積比率・存在形態を調べた。XRDの結果,レス中の磁性鉱物(hematite, magnetite)の体積比率は非常に低い(< 1vol.%)ことがわかった。TEM観察の結果,これらの磁性鉱物は,土壌化(風化)の進んだmuscovite中にナノサイズの包有物として含まれていた。包有物はmuscoviteの土壌化(風化)に伴って二次的に形成した可能性が高い。特にmagnetiteは強い磁性をもつため,主にその生成が磁気増大の原因になっていると考えられる。発表では,これら土壌化起源magnetiteの特徴を詳しく紹介する。
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© 2016 日本鉱物科学会
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