抄録
IODP Exp. 331の掘削により沖縄トラフ伊平屋北海丘には複数の人工熱水孔が形成され,ここではチムニー (Zero-age chimney) が急速に成長している様子が観察されている.これまでの研究により,この試料中にはウルツ鉱が普遍的に見いだされている.形成時期がはっきりとし再結晶作用を受けていないチムニー中のウルツ鉱を観察することは,準安定条件下でのウルツ鉱の形成過程を知る上で非常に重要である.形成過程ならびに成長機構を推測するために,このウルツ鉱試料の組織について結晶学的な解析をおこなった。