日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2017年年会
セッションID: R7-05
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R7:岩石・鉱物・鉱床一般(資源地質学会共催セッション)
ラオス南部Bolaven plateauに分布する霞石かんらん石玄武岩の構成鉱物
*濵田 麻希江島 輝美実松 健造
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抄録
ラオス南部のBolaven plateauの東側には霞石かんらん石玄武岩が分布する.本研究では霞石かんらん石中の構成鉱物の産状や化学組成について詳細な記載を行った.霞石かんらん石玄武岩は緻密で暗青灰色の岩石である.かんらん石微斑晶はほとんどが変質し緑泥石化しているが,中心部にかんらん石を残した微斑晶も存在する.Ti輝石は,柱状結晶として産出し,最大TiO2を2.16 wt%含む.しばしば細粒な霞石とチタン鉄酸化物を包有する.スピネルは褐色から明褐色または黒色を呈し,岩石全体ではなく一部にのみ産出する.石基中のアパタイトは他形で,化学組成からハイドロキシアパタイトである.霞石の産状は三種類に分類される; 1)自形の微斑晶,2)他形の間隙充填鉱物,3)他の斑晶,微斑晶の包有物.微斑晶としての霞石は六角短柱状の自形結晶として産し,total Fe2O3含有量は1.20-3.17wt%である.またしばしば細粒なTi輝石やチタン鉄酸化物を包有する.構成鉱物の産状から,初生的な霞石は早期に生成し,鉱物の晶出順序はOl+Nep+Px+Sp → Nep+Px+Opqであると結論される.
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© 2017 日本鉱物科学会
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