日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2017年年会
セッションID: R1-P05
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R1:鉱物記載・分析評価
福岡県長垂産Li-micaの鉱物学的研究
*野上 貴弘上原 誠一郎
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抄録

福岡市西区にある長垂は、古くから希元素に富んだ鉱物が多数産出することで知られている。本研究ではその中でも先行研究では記載の不十分であったLiを含んだ雲母であるLi-micaについての発表を行う。Liを含んだ雲母の種類としてtrilithioniteとpolylithioniteを端成分にとるlepidolite系列、polylithioniteとsiderophylliteを端成分にとるzinnwaldite系列の二つが存在する。本研究ではXRD及びEPMAを用いたポリタイプの同定、及び化学分析を中心として研究を行った。長垂のLi-micaには1M, 2M1, 2M2の三種類のポリタイプが確認され、最も主要なものは2M1であった。また、それぞれのポリタイプの肉眼判別は困難であるが、2M2を持つものは比較的結晶が小さい傾向を持っていた。さらに、長垂のlepidoliteはAl, Si, Li, Mnの間に置換反応が見られ、2M2は2M1に比べMnの置換が少ない傾向があった。

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