LD研究
Online ISSN : 2434-4907
Print ISSN : 1346-5716
限局性学習症の可能性のある児童生徒の学習困難に影響を与える要因モデルの検証
通常の学級に在籍する小中学生を対象にした評価と構造方程式モデル分析を中心に
金 彦志矢野 夏樹梅田 真理韓 昌完
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 28 巻 4 号 p. 484-493

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抄録

限局性学習症(Specific Learning Disorder : SLD)の児童生徒において早期発見と学習支援についての関心が高まっている。SLDの児童生徒を評価するためには学習困難に影響を与えている要因を明らかにし,その要因を教育的対応によって取り除いた上で彼らの学習を改めて評価する必要がある。本研究では児童生徒の教育的ニーズを評価するための尺度であるInclusive Needs Child Record(ICR)の評価データを分析することで,SLDの可能性のある児童生徒の学習に影響を与える要因を明らかにすることを目的とする。研究の結果,ICRにおけるSLDモデルとして読む,書く,計算する,推論するの4領域を含むモデルにおいて良好な適合度が検証された。また,そのモデルに影響を与える要因として,身体の状態,姿勢・運動・動作,不注意,自己肯定感が明らかになった。

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© 2019 一般社団法人 日本LD学会
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