LD研究
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Print ISSN : 1346-5716
就学移行期の発達障害児の親のレジリエンス獲得を促すプログラムの開発と評価
宮本 明日香白川 園子濱中 円前川 美波子北垣 千恵清水 歩山田 和孝
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2020 年 29 巻 1 号 p. 71-84

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抄録

就学移行期の発達障害児の親を支援するプログラムを開発・評価した。参加者は年長と小学校低学年の発達障害児の親28名であった。内容は小学校の模擬授業体験,専門家によるテキストと講話,親交流の4つで構成され,1カ月半の全3回で実施された。養育レジリエンスは,「尺度得点」「子どもの特徴に関する知識」と「社会的支援」要素において,実施後に有意に上昇した(p<.05)。模擬授業の中で,親はレジリエンスを導く他者心理の理解を体験した。模擬授業とテキストと講話は共通して,理解や知識を高めた。親交流は他の内容と独立的で,情報交換や交流を担った。プログラム全体について,参加者の100%が助けになったと感じ,92.3%が満足した。親交流において1期では不満がみられたが,2期で時間を長くし解消した。本プログラムは就学移行期の発達障害児の養育レジリエンスの一部の獲得を助け,親の支援ニーズに合致した。

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© 2020 一般社団法人 日本LD学会
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