LD研究
Online ISSN : 2434-4907
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教職課程必修科目「特別支援教育」充実のための教員意識調査
A県の結果から
村瀬 公胤武田 明典池田 政宣北島 善夫
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 31 巻 1 号 p. 75-86

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抄録
本研究の目的は,2019年から教職課程に特別支援教育に関する科目が新設されたことを受けて,現職教員の意識調査を行い,当科目の充実に貢献する資料を提供することである。そのために,「教職課程コアカリキュラム」が示した当科目の8つの到達目標に基づく質問紙を作成し,小・中・高等学校および特別支援学校の教員472名を対象に調査分析を行った。選択回答の結果および自由記述回答のテキストマイニングの結果から,学校種ごとの特別支援教育の意識として,小学校では個別の指導計画を中心に連携支援体制を構築して児童の発達を促すこと,中学校では支援方法を幅広く知って生徒の学習に最善の対応を模索すること,高等学校では言語や貧困等の困難も含めて生徒の多様な問題を捉えること,特別支援学校では発達特性や学習過程の理解を通して子どもに寄り添いながら将来に応えていくこと,という像が抽出され,教職科目への示唆を得られた。
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© 2022 一般社団法人 日本LD学会
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