抄録
効率的かつ正確な現存植生の推定図化を目的として,データ処理方法の検討と作成した図の精度評価を行った.事例研究地は,ブナクラス域とヤブツバキクラス域上部の自然植生と代償植生が分布する鳥取県と兵庫県の県境域に位置する6 km×6 kmの正方形の領域とした.衛星データから作成した土地被覆分類図と,標高,斜面形状,累積日射量,最大積雪深等のGISデータから作成した潜在自然植生推定図をオーバーレイして現存植生推定図を作成した.作成した図の精度評価のためκ係数を算出したところ,現存植生推定図はκ係数精度が0.21以上となる範囲が,図化対象域の89%を占めた.こうした領域では推定結果と現地確認した植物群落分布との対応が比較的良く,一定の図化精度で現存植生推定図を作成することができた.