抄録
かつて,わが国には広大な野草地が山間地域に存在し,放牧や草刈場として利用されていた.しかしながら,そうした野草地は,戦後の経済成長や生活様式の変化に伴って,その姿を消していった.本研究では,過去100年間における山間地域における野草地の時空間的な変遷について解析した.この目的のために,時系列的な地形図や空中写真などの地理情報を統合し,GISを用いて空間分析ができるようなデータベースを構築した.結果として,山間草地は終戦直後の頃までは存在したが,1960年代を通じて急速に消失し,針葉樹の植林地へとその姿を変えていったことが明らかにされた.